公開日: |更新日:
着物をレンタルする際、サイズの合う着物だと見分けるポイントやサイズの許容範囲などについて紹介します。
着物を美しく着るためには、自分のサイズを把握し、サイズの合った着物を着ることが大切です。しかも着物は一人ひとりに合わせて仕立てるオーダーメイドが主流のため、洋服よりさまざまな部位のサイズが必要となります。
ただし、レンタルではすでに仕立てあがっている着物の中から選ぶため、そこまでぴったりサイズを合わせられるわけではありません。多少サイズが合わなくても、着付けでどうにかカバーする必要があります。許容範囲を超えると裾から足首が出てしまったり、ちょっと動くだけで着物がはだけてしまったりする可能性があるので注意する必要があります。
レンタル着物にはさまざまなサイズが表記されていますが、必ずチェックすべきポイントが「身長」「裄丈」「ヒップ」の3つです。この3つが自分のサイズに当てはまっていれば、着物を美しく着ることができます。
特に、身長のわりに腕が長い、ヒップが大きいなど自身の体格に気になる点があるのなら、必ず確認することをおすすめします。
レンタル着物を試着する際、サイズの合う着物か知るためにチェックするべきポイントは4つです。
まず裄丈と袖丈。裄丈は手首までしっかり長さがあればOKです。身幅は着物の右脇の縫い目と上前の端が重なるくらいか、背中心がしっかりと背中の中央に着ているかどうかをチェックします。最後に身丈で、自分の身長と同じサイズか確認しましょう。
4つのサイズをしっかり測定しておき、記載されているサイズと合っているかも確認すると安心です。
裄丈を採寸するには、「首の後ろの付け根から手首のくるぶしまでの長さ」を測ります。ひとりで測るのは難しいため、家族や友人などにお願いするとよいでしょう。腕の長さには左右差があるため、必ず両腕を採寸してください。
まっすぐ立ち、腕を45度に開きます。首の後ろ中央の頚椎から肩の上を通し、手首のくるぶしまでを計測。袖口でくるぶしが少し隠れるくらいを目安にし、終点を決めるようにしましょう。
袖丈は、着物の袖の長さのこと。振袖の袖丈は、膝より下でくるぶしより上にくるように設定するのがルールです。身長の約7割として計算した数字が、振袖の袖丈の適応サイズとなります。
測る際は、肩先から手首のくるぶしを超えるところまでの長さを測ります。リラックスした姿勢で立ち、腕を体の側に垂らします。肩の一番外側を起点とし、メジャーで肘までの長さを測定。次に肘から手首の外側までの長さを測り、長さを合計すると袖丈が分かります。
身幅とは着物の身頃の幅のことで、前幅と後幅があります。一般的には、腰まわりの一番太いところを測ります。ただし、お腹まわりや太ももまわりが太い場合は、そちらの寸法をもとに身幅を決目る方法もあります。
腰まわりのサイズから、自身に合う前幅や後幅のサイズを算出することが可能です。前幅は「腰まわり÷4+1cm前後」、後幅は「腰まわり÷4+6cm前後」のものを選ぶとよいでしょう。ただし、レンタル着物の身幅は、標準的な寸法になっていることが多いです。
「身丈」は、着物の肩から裾までの実際の長さのことで、おはしょりの部分を含んでいます。首の付け根にある出っ張った骨を基点として、足のくるぶしまでの長さを測ります。
身丈の長さは、5~10㎝程度長い場合には着付けの際に調整が可能ですが、短いと着崩れの原因になるため注意が必要です。一般的に、女性の場合は「身丈=身長」と考えられていますが、適したサイズは「身長±5cm」とされています。この範囲で見つからない場合でも、「身長±10cm」の範囲内であれば許容範囲とされています。 また、お仕立て上がりの着物の「身丈」を測るには、着物の肩山から裾まで、または背中心の最上部から裾までの長さを測定する方法があります。
着物のサイズには、着付けで調整できる許容範囲というものがあります。身丈は身長の±5㎝以内なら着付けでカバーができ、裄丈は±3cmまでなら問題なく着ることが可能です。身幅はかなり融通が利き、前幅で22.5~24cm、後幅で30.5cmほどが標準となります。
どうしても着たい着物があっても許容範囲から外れるようならその着物はあきらめ、自分の体型に合う着物を探しましょう。着付けの技術によってその着物を着ることは可能でが、せっかくの柄がおはしょりで隠れてしまったり、動くと前がはだけてしまったりするなど、着物を美しく着ることができません。
そうなると、着物の魅力が半減してしまいます。デザインももちろん重要ですが、それより前に自分の体格に合った着物を着ることが大切です。